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2005年08月25日

昨日の続き

金沢の話の続きです。


とりあえず、21世紀美術館に戻り、
14:00からの回のキャンセル待ちをするが、一人のキャンセルも出ず。


この時点で、19:00の電車で帰る希望は完全に絶たれたので、
気持ちを切り替え、金沢駅へ切符の買い換えに向かう。


金沢駅へ向かうバスの中で「こころ」を読み終えた。
「こころ」に関しての感想は、またいずれ。
【漱石】モードを何となく引きずりながら、切符を買いにみどりの窓口へ。


「拘束のドローイング9」の最終回が終るのが、20:30なので、
21:30以降の東京方面への電車を探してみると、
22:15発の寝台列車「北陸」と、行きに乗ってきた急行「能登」しかない。
共に上野に着くのは明朝6時過ぎ。


ろくに寝てないので、帰りは寝て行こうと寝台の切符を買う。


さあ!


切符も買ったし、「こころ」も読み終えた。


治部煮も食べたし(笑)、やっと本来の目的へいける。


「拘束のドローイング」の世界へいざ!

タイトル.jpg

<DRAWING RESTRAINT>
「拘束のドローイング」(以下DR)とは、自らを彫刻家と称すアーティスト、
【マシュー・バーニー】が1987年から2003年までに、
実験的な試みとして制作してきた、DR1〜8と、
新たに金沢で制作したDR9〜11で構成されたいるものです。


<DR9>「拘束のドローイング9」は2時間半の映画で、
僕がここまで観に来た理由の、一番メインになっている作品です。


マシューとその妻のビョークが主演。
音楽もビョークが担当すると言う、
普通に考えても、十分注目に値する映画だと思うのです。

_MG_2749.jpg

テーマは日本の文化でもある、「捕鯨と茶道」
それに温度によってその形状を変える「油脂」がキーワードの様に絡んでくる。


ほとんどセリフも無く、意味不明の映像も多く、
一般的には不可解な作品ではあると思います。

_MG_2753.jpg

2002年から2003年にかけて、シネマライズをはじめ、
日本六都市で公開された、7時間の映像アート「CREMASTER CYCLE」は、
各界から注目を集めたようです。


僕は見逃していたので、(というか存在さえ知らなかった)
後に、「PLUS+ing」という【ヘアーとアート】の雑誌で、その存在を知りました。


正直、「気味悪い写真がいっぱいあるなぁ」って印象しか最初はなかったんです。


その後「PLUS+ing」 No 15で「拘束のドローイング9」の特集を読み、
そこで著名な人達が口を揃えて「マシュー・バーニーは凄い」
とコメントを寄せていたのに関心を持ちました。


きっと何かがあるのだろうという期待感、
そんなものが僕の中で大きくなっていきました。


少し調べてみるが、こちらに来そうな気配はないので、
思いきって金沢へ行く事を決意しました。
(8月25日迄の公開。この後ソウル、サンフランシスコを巡回する予定だそうです)

で、


観て来た感想ですが、


これは、ハッキリ言って観なければ解りません。


どんなに写真を沢山見ても、内容を聞いても、あの映像を観なければ、
絶対に「拘束のドローイング9」は解らないと思うのです。


僕はもっと不可解で難解なものかと構えていましたが、
全く意味不明という訳ではなく、そこにはストーリーも、
メッセージもちゃんと存在していました。


ビョークの音楽も素敵で、笙という能に使う楽器をふんだんに使い、
日本の音楽家との絡みも不思議なくらいにシックリいっていました。


映画において、ビョークの音楽の位置は、かなり重要に思えます。


ただ、


作品全体としては控えめで、【マシュー・バーニー】をたてている。
そんな印象が強かったです。


一部【エグイ】シーンもあり、隣で観ていた女性は、
何度も目を背ける様な動作をしていました。
(実際チョットきつかった)


ただ、結構笑える所もあり、決して破壊的な映画ではなかった。
不可解ながらも、前向きなメッセージを掴んだ気持ちで、
見終える事が出来ました。

まあ、僕のコメントなど、この作品には何の意味も持たないでしょう。

【マシュー・バーニー】は大衆娯楽的な作品を創っている訳では無く、
間違いなく「拘束のドローイング9」は、アートとしての作品なわけです。


アートってそれが自体が、簡単に解ってしまう様なものではない。

ピカソも、キュビズムの活動を始めた頃に、書いた作品を友人に見せ、
「人間の鼻とはこうあるべきなんだよ」と言ったとか。
言われた友人は、
「ついに気がふれた」と思ったそうです。


実際キュビズムの頃の作品を見ても、よく解りません。


ただ、「何か解らんけど凄いな」とは思うんです。


ピカソにしても「青の時代」「薔薇色の時代」などを経て、
キュビズムに辿り着く訳で、見る側もその過程をふまえて見るから、
あの意味不明のキュビズムの【画】の中から感じるパワーに、
圧倒されるんじゃないだろうか?


「拘束のドローイング」は最初は文字通り、肉体に拘束(負荷)を与えて、
その中から新しいものを生み出そうとした、パフォーマンス的なものでした。


ゴムで引っ張られながら壁に絵を描く、「DR1、2」


フットボールのタックルの練習用の器具にクレヨンを取り付け、
女装をして押しながら何かを書こうとする「DR4」


15度の傾斜をつけたトランポリンを使って、天井に自画像を描こうとした、「DR6」


展示場のモニターで見てるときは、笑ってしまう様なものも多かった。


ただ、この笑ってしまう様な活動に、ものすごいお金と、凄い人達が集まり、
結果、凄い作品になっていた。

そんな感じです。

【マシュー・バーニー】
_MG_2750.jpg

長くなった上に、何だかよく判らない文章になってしまい、スイマセン。

でも、映像も、衣装も、音楽も、素晴らしく、
僕は金沢まで「拘束のドローイング」を観に行って、
本当に良かったと思ってます。
(柘植伊佐夫さんのヘアーメイクも素敵だった)

しかし、


まだまだ僕は、この作品について語るには、未熟者の様です...........

誰かと「DR」について話をしたい!という気持ちを抑えながら、
美術館を後にして、金沢駅で夕食を食べ、寝台列車に乗り込みました。


寝酒にと買った「レモンサワー」を飲むまでもなく、
グッスリと深い眠りに引き込まれ、目が覚めると大宮辺り。


上野から京浜東北線で鶴見に着いたのは7:00くらいでした。

三日ぶりの風呂に入り、足掛け三日のボクのイベントは終りました。
(もちろんそのまま仕事です!)


終ってみて、なんかとっても充実感にあふれています。

今度は自分の「拘束のドローイング」みつけてみたいと思っています。

投稿者 glam : 2005年08月25日 18:27
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