アシスタントの仕事は言葉の通り、スタイリストのアシストです。
お店の一日の流れの把握や、お客様への気遣い、
アシスタントの仕事次第で、仕事の効率が全然違ってきます。
シャンプーやブロー、カラーやパーマ、トリートメント等々、
床掃き、次の仕事の準備、タイマーの管理もアシスタントの仕事です。
良いアシスタントは、スタイリストの次の仕事を考えて動きます。
更に優秀なアシスタントになると、
カラーやパーマもイメージのテイストを伝えるだけで、
薬剤もロッドの選定も自分でやります。
当然最初からそうは出来る訳ではありません。
最初はスタイリストが事細かく指示を出します。
慣れて来たら、アシスタントの考えた事を言わせる様にします。
例えば、このお客様は「こういう色にしたい」という事を伝え、
アシスタントに色の選定をさせます。
アシスタントは自分の選定した薬剤をスタイリストに言います。
「☆☆と□□を1:1でオキシは6%でどうですか?」
そこでスタイリストが考えているものと、
アシスタントが考えているものにズレがあれば、
スタイリストが訂正します。
この繰り返しによって、だんだんズレが少なくなってきます。
ほぼスタイリストの考えと、アシスタントの考えがズレなくなって来たら、
完全に任せてみます。
お客様とのカウンセリングから一緒に入ってもらう、
もしくはカウンセリングの内容を伝えて、
使う薬剤をアシスタントに選定させます。
施術の内容も自分で考えて進めさせます。
(当然スタイリストはこっそりチェックをしてますけど)
このような事を繰り返していくうちに、
安心して仕事を任せられるアシスタントになります。
この段階になると、アシスタントはかなりの仕事を把握し始めるので、
後輩アシスタントに指示を出して、何人ものお客様を抱えながら、
タイマーも管理して流れを作っていきます。
このクラスのアシスタントを「スーパーアシスタント」と呼んだりします。
ところがそこに【落とし穴】があります。
この頃のアシスタントはある意味お店の流れの中心にいます。
スタイリスト達は「スーパアシスタント」を頼りにします。
サッカーで言えばトップ下で司令塔みたいなものです。
当然仕事は楽しくなるし、お客様かも信頼され始め、
居心地のいい状態が出来上がってしまいます。
ん?何かいけないの?
と思う方もいるでしょうね。
この頃のアシスタントは大抵カットの練習をしています。
カット練習はかなり大変なので、結構へこたれてしまう事が多いのです。
壁に当たって悩んで、嫌になってしまう事もあります。
「自分は美容師に向いてないんじゃないか?」
と真剣に考えたり.........
サロンワークでは【中田英寿】なのに、レッスンではダメ出しの連続。
こんなにカット出来ないのに、
やがて自分がサロンワークでカットに入っていく事を考えると、
ゾッとしてしまうのです(笑)
アシスタントの仕事では【中田英寿】
スタイリストとしては【二軍の選手】
どっちが良いですか?(笑)
当然、人間は弱いもので「ずっとアシスタントでもいいや」
と思い始めるのです。
どんなに優秀なアシスタントでも、
アシスタントはあくまでアシスタントです。
アシスタント一人ではお店は開けられません。
笑ってしまう事なんですが、
【スーパーアシスタント】の仕事ぶりに「あの人みたいになりたい」
と憧れるスタッフもいたりします。
(本当にいるんです)
あえて言わせてもらいます。
美容師はカットが出来る様になって、初めて美容師です。
憧れるなら【スーパーアシスタント】ではなく
【スーパースタイリスト】にして欲しいものです。
アシスタントは美容師になる為の、通過点でしかないのですから。
かつての【スーパーアシスタント】で、
カットで悩んでいた事もあるMIKAも、
今では「やっぱり美容師はカットしてナンボですよ」
と一丁前の口をきく様になりました(笑)
新しく技術を覚えていくのは大変だし、
今の環境に留まるのは楽で居心地がいい。
でも次のステップに進まなければ、何も見えてこない。
常に次のステージがあるってことは、
常に飽きない仕事が出来るって事だと、僕は思ってます。
「どこまで行っても飽きないから、商売の事を商いと言うんだよ」
と教えてくれた、保土ヶ谷のお蕎麦屋さんの
「お婆さん」の言葉を思い出しました。